信頼のおける医療者とともに

専門医と、ほかの医療者との連携をお願いしよう

多くの臓器の障害がある筋強直性ジストロフィーでは、患者自身が意識的に「自分に合った医療体制を獲得していくこと」が欠かせません。

たとえば、神経内科の医師が歯科を兼務しないように、それぞれの医療者には専門領域があります。

そこで、DM-familyが提案するのは「患者自身が専門医に、かかりつけ医やほかの医療者との連携をお願いすること」です。

年1回以上の専門医受診+「かかりつけ医」を持とう

この病気の司令塔となるのは、神経内科(小児神経科)の専門医です。

内臓疾患の診察が必須なので、神経内科を受診していない方は「神経内科の専門医」を探してください。遠方であっても、筋強直性ジストロフィーの診察経験が多い専門医の受診をお勧めします。

専門医には少なくとも年1回の定期的な受診を行うことで、病気の進行状況をアップデートして把握してもらえます。遺伝子検査などの相談や、検査入院をする場合も専門医の病院にしましょう。

専門医が遠方の場合は事情を説明して、かかりつけ医にお願いできる点があれば「紹介状」などの形で伝えていただくよう依頼しましょう。

専門医と、ほかの医療者との連携

歯科、循環器科、整形外科、婦人科など神経内科医以外の医師の力を借りることが多い病気です。この場合も、神経内科を核として、筋強直性ジストロフィーであること、全身にどのような障害が存在するかの情報を共有して診ていただくことが大切です。必要になったら、筋強直性ジストロフィーと患者自身の情報について、専門医から詳しい「紹介状」を書いてもらいましょう。

また、リハビリテーションには理学療法士(PT)、日常生活の環境や道具などについての相談は作業療法士(OT)、嚥下などでの問題があるときには言語聴覚士(ST)など、専門知識のある多くの医療者たちに協力してもらい、よりよい生活を送る工夫もできます。こうした場合も、専門医との連携が必要です。

専門医以外の先生方には、最初にアラートカードを見ていただくのも効果があります。

味方になる医療者を、応援しよう

神経内科の医師の人数は他科に比べて多いとは言えません。なかでも神経筋疾患を専門とする専門医は少ないため、多くの患者と家族が、専門医受診のために遠方まで出向いています。

「味方になる医療者」を増やしていくことは、自分のためだけでなく、家族のため、そして多くの患者のためとなります。

専門医以外で筋強直性ジストロフィーに関心を持ち、勉強してくださる医療者がいたら、ぜひその先生方を応援していきましょう。

DM-familyは、「患者の味方になる医療者を増やすには」という長期的なテーマも考えていこうと思います。