治療法開発に患者の協力が求められています
世界で進む治療薬開発
2022年4月、筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)では、筋強直性ジストロフィーについて現在進んでいる治療法開発を調査し、一覧表にしました。
2022年4月時点、日本国内では、大阪大学で研究中の治療薬「MYD-0124」が、治験第2相(2021年に治験対象者募集を終了)を実施しており、安全性と有効性の確認が行われています。
アメリカ・イギリスなどで開発中の治療薬は、治験進行中のもの、アメリカ食品医薬品局(FDA)に治験申請を行う予定のものがあります。
日本で処方される医薬品は、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)で承認される必要があり、そのためには国内で治験を行って安全性と有効性を確認します。
海外で開発中の治療薬について、日本でも治験を実施するためには、さまざまな困難があります。
治験には莫大な費用がかかるうえ、言葉や文化が異なる海外の製薬企業にとって、日本での実施は大きな負担となります。
それでも、日本でも治験をしようと思ってもらうためには、患者自身が力を合わせて、次のことを行う必要があります。
- 遺伝子検査により、筋強直性ジストロフィーであることを確定させたうえで患者登録を行い、治験ができる患者がそろっていることを海外製薬企業や研究機関などにも示していく。
- 自然歴研究※に参加し、治験の基礎となるデータを提供する。
※自然歴研究については下記を参照ください。
治療法開発に貢献できる。研究班「自然歴研究」参加者募集
患者も家族も、みんなで協力し合って治療薬を手にしませんか。
病気のメカニズムに基づく根本治療薬(原因となる遺伝子の治療など)

合併症に向けた対症療法薬
筋強直性ジストロフィーの筋強直(ミオトニア)や日中過眠、インスリン抵抗性に向けた治療薬も、海外では治験が進んでいます。
日本でもこうした薬を使うためには、有効性や安全性について確かなデータや科学的根拠を示し、承認を受けることが必要です。
承認されていない薬を処方することは「適応外処方」となり、原則として認められません。
ミオトニアを緩和する「メキシレチン」は、不整脈を起こすリスクが国内外の診療ガイドラインでも示されています。ウオームアップで緩和するなど、患者自身の方法を見つけていくことをお勧めします。