全世界60団体から成る筋強直性ジストロフィー国際連盟から、世界希少・難治性疾患の日に向けて声明を発表

International DM Awareness

2025年2月28日の世界希少・難治性疾患の日(RDD:Rare Disease Day)を記念し、療養、研究、啓発に従事している60以上の団体が参加する「筋強直性ジストロフィー国際連盟」は以下の声明を発表します。


筋強直性ジストロフィー(DM)とは、進行性の遺伝性疾患であり、筋力、呼吸器系、心機能、認知能力などに障害が現れます。有病率にもかかわらず、診断が不十分で誤解されたままであり、現在のところ治療法や疾患修飾治療法は存在しません。

筋強直性ジストロフィー国際連盟は、お互いの協力と教育を通じて、こうした状況を改善していく努力をしています。

2025年のRDDにあたり、わたしたち筋強直性ジストロフィー国際連盟は、以下2点の共同重点項目を推進することを再度、ここに示します。

1.医療者に向けた啓発と認知度向上

2.臨床試験の参加者に向けた準備

この2点は、筋強直性ジストロフィーに罹患している患者や家族が直面する重要な課題に対応するものです。

当連盟は、筋強直性ジストロフィーの症状、および診療ガイドラインが利用可能であることに意識を向け、理解を得るために医療従事者との協力を継続してまいります。

こうした活動は、診断の遅れを減らし、患者が受けるケアの質を向上させるためのものです。

当連盟のメンバーである、カナダ筋ジストロフィー協会は、筋強直性ジストロフィーに罹患している患者が遺伝子検査を受ける機会を改善するために、積極的な活動を開始しました。
この画期的な取り組みは、タイムリーな診断と、研究への参加に対する障壁を低減することを目的としています。

カナダ筋ジストロフィー協会の研究・広報担当副会長であるホミラ・オスマン博士は、次のように語っています。

「遺伝子検査は筋強直性ジストロフィーの理解と管理の基礎であり、検査の受けやすさを改善することで患者や家族に重要な情報を提供する。」
「検査への公平な機会を確保することで、早期診断、より良いケア、臨床試験へのより大きな参加への道を開くことができる。わたしたちはともに、有意義な変化に向けて前進している。」

カナダ筋ジストロフィー協会の新しい取り組みは、臨床医チームの意識を高めると同時に、筋強直性ジストロフィーと共に生きる人々が臨床試験に関する必要な情報を得るのを支援することで、当連盟の共有重点分野を具体化するものです。

当連盟は、筋強直性ジストロフィーの治療法と治療法をテストする重要な研究である臨床試験(治験)のために、世界中の参加者が準備できる取り組みを継続しています。

治験情報へのアクセスを改善し、参加に関心のある人々にサポートを提供すると同時に、この病気のコミュニティが持つ多様なニーズに対応できる、包括的で参加可能な試験デザインを提唱することに専念しています。

英国筋強直性ジストロフィー患者登録の登録キュレーターであるヘレン・ウォーカー氏は、「筋強直性ジストロフィーの患者登録は、患者と臨床試験の間のギャップを埋める上で不可欠な役割を果たしています」と述べています。

「患者が持つ正確なデータを収集および維持することにより、患者は病気をよりよく理解するだけでなく、臨床試験(治験)やその他の研究に参加する機会があることを確実に理解できます。これは、効果的な治療法を開発し、筋強直性ジストロフィーのコミュニティにおける生活の質を向上させるための重要なステップです。」

オルバニー大学RNA研究所の所長であるアンディ・バーグランド博士は、筋強直性ジストロフィー研究の勢いが高まっていることを強調しています。

「筋強直性ジストロフィー研究における進歩は、患者、臨床医、支援団体の総合的な努力なしには不可能だっただろう。臨床試験の準備に改めて重点を置くことで、筋強直性ジストロフィーのコミュニティは新たな治療法から確実に恩恵を受けることができる。RNA研究所では、グローバル・アライアンスの一員として、筋強直性ジストロフィーと共に生きる人々に進歩をもたらし、希望を生み出すことを光栄に思っている」とバーグランド博士は述べています。

筋強直性ジストロフィー国際連盟は、世界希少・難治性疾患の日に、この病気とともに生きる患者、家族、医療専門家、業界、研究者などすべての人々に向けて筋強直性ジストロフィーに対する認識を高め、患者を支援する活動に参加していただくことを呼びかけます。

今日この日は、筋強直性ジストロフィーの影響を受けている人々が団結し、その声を増幅させるまたとない機会となります。活動には、愛する人との個人的な体験談の分かち合い、政策立案者を巻き込んでケアの改善を提唱することなどが含まれます。

ともに活動することで、わたしたちは筋強直性ジストロフィーの輝く未来を築いて行くことができます。

より詳しい情報は、こちらをご覧ください。
Global Alliance for Myotonic Dystrophy Awareness

声明の原文はこちらです。

60以上の団体が参加する「筋強直性ジストロフィー国際連盟」