「治らないから何もしない」ではなく……
「できるだけ、これ以上悪くならないようにしよう」と考える
初めて「筋強直性ジストロフィー(筋緊張性ジストロフィー)」と診断された方、医療者から「この病気は治らない」と言われていませんか。
確かに、現在のところ筋強直性ジストロフィーに根本治療法はありません。
「根本治療ができないなら、病院に行く意味がない」と考えてしまうのは無理もありません。しかし、筋強直性ジストロフィーは、だんだんと症状が進む病気です。ご自分では平気なつもりでも、症状が進むという事実から目を背けては不安なだけではないでしょうか。
それなら「できるだけ、これ以上悪くならないようにしよう」と、発想を変えてみませんか。
同じ病気を抱えた多くの患者が、希望を持って少しずつ毎日の努力をしています。この患者会DM-familyは、そんな患者と家族とともに、お互いに思いやりを持ち、社会に寄与することを目指している患者会です。
小冊子「知ってください筋強直性ジストロフィー」ダウンロード
DM-familyは、この病気とは何か・そしてどんなことをすべきか、すぐにわかる小冊子「知ってください筋強直性ジストロフィー」を作りました。
患者自身の声を反映して、大きめの文字とたくさんの絵を使って説明しているので、初めての方だけでなく、ご家族や周囲でご支援いただく方にもお役立ていただけます。
小冊子「知ってください筋強直性ジストロフィー」は、こちらからダウンロードできます。
*印刷した冊子は患者会にご入会いただいた方、ご寄付をいただいた方に差し上げています。
主治医は「神経筋疾患を専門にしている神経内科医」
この病気は「神経内科」を受診してください。
神経内科にはさまざまな専門があるため、できるだけ神経筋疾患を専門にしていて、筋強直性ジストロフィーの患者をたくさん診察している先生に受診することをお勧めします。
専門医は多くないので、診察されるまで長時間待つのは、どの病院でも同じです。気長にゆっくり、リラックスして待ちましょう。
お近くに神経筋疾患を専門とする神経内科がない場合は、少なくとも年1回は専門病院で検査を受け、その結果を地域の医師と共有する方法を検討してください。
病院リストはこちらです。
正確な診断には「遺伝子診断」を
筋強直性ジストロフィーは遺伝子が原因の病気なので、根本治療は遺伝子の異常を治すことです。
遺伝子診断は、この病気において、正確な診断の基礎となるものです。
もし原因となる遺伝子が違っていれば別な病気の可能性があり、対応策が異なります。
遺伝子診断は採血だけですみ、健康保険も使えます。
どうしても遺伝子診断を受ける決心がつかないときには、遺伝カウンセリングで相談を受けましょう。メリット・デメリットを整理して考えることができます。
治療法開発は進んでいる
実は、筋強直性ジストロフィーの治療法は世界中で開発が進んでいます。原因となる遺伝子がわかっているので、治療に向けた方法を考えやすくなったためです。
実際に海外では治験が行われており、安全性や有効性の確認などをしています。
わたしたちDM-familyは、筋強直性ジストロフィーだけを対象にした国際学会「IDMC」に参加し、世界中の研究者や医療者、製薬企業とコンタクトを取っています。
このほか、国内外での研究について情報を得る努力を続けています。みなさんが毎日読む新聞やウェブニュースだけでも、意外と情報はあるものです。
DM-familyの有志で運営しているFacebookページ「筋強直性ジストロフィー情報集(DM-info)」では、集めた情報を無償でシェアしています。こちらもぜひご覧ください。
今日一日を大切に。あなたにも、できることがあります。