治療法開発に貢献できる。研究班「自然歴研究」参加者募集
2020年度からスタートしている日本医療研究開発機構 レジストリと連携した筋強直性ジストロフィーの自然歴およびバイオマーカー研究班では、自然歴研究に参加する歩行可能な患者を募集しています。
目標症例数は50名です。
治療法開発と医療の進展に寄与する「自然歴研究」
筋強直性ジストロフィーと診断されたとき、誰しも「この先どうなるのか」という不安を持つと思います。
患者数が少なく、個人差が大きい病気。患者・家族の不安だけでなく、医療者・研究者にとっても病気の進展などについての検討のために、より精度を上げるためのデータが不足し、治療法開発も難しくなっています。
そのため、筋強直性ジストロフィーの治療には、自然歴の研究が欠かせません。
自然歴とは、治療薬を処方されない患者が、どのような経過をたどるかを観察・記録しておくことです。
患者登録の内容から、より一歩踏み込んで、治療法開発を視野に入れた観察研究です。
この研究には、次のようなメリットがあります。
1.新しい治療薬開発の際に、記録されたデータと比較することで、新しい治療法の有効性を検討するための重要な情報となります。
2.どのような進行をするのかがわかり、よりよい対応策を考えられます。
米国・英国で進む大規模自然歴研究
英国の自然歴研究「PhenoDM1」は、2015年から開始され、213名の患者が参加しました。また、米国の自然歴研究「END-DM1」は700名の患者を募集しています。どの患者も、自分の症状を記録してもらうことで、治療薬開発と、次世代の医療に貢献しています。
海外に匹敵する自然歴研究を、研究班とともに実現しましょう。
記録を取る内容
- 被験者の背景
- バイタルサイン
- 筋力・運動機能
- 質問紙(QoLなど)
- 認知機能
- 血液検査
- 尿検査
- 心機能
- 呼吸機能
評価頻度:原則、1年に1回
期間:2023年3月31日まで(研究対象者登録締切は2022年12月31日)
研究に参加できる人(選択基準)
下記の条件にすべて当てはまる人です。
- 研究同意説明文書に同意した、18歳以上の患者
- 遺伝子検査で筋強直性ジストロフィー1型と診断されている患者
- 筋強直性ジストロフィー1型の発症年齢が12歳以上の患者
- 上肢近位筋(肩関節または肘関節)あるいは下肢近位筋(股関節または膝関節)に筋力低下(MMT4+以下)を認める患者
- 10メートルを自力で(介助および補助具なしで、ただし足関節補装具は可)歩行可能な患者
- 下記の病院に通院している患者
- 国立精神・神経医療研究センター
- 大阪大学医学部附属病院
- 国立病院機構 青森病院
- 国立病院機構 あきた病院
- 国立病院機構 鈴鹿病院
- 国立病院機構 大阪刀根山医療センター
- 国立病院機構 旭川医療センター
- 国立病院機構 まつもと医療センター
- 奈良県立医科大学附属病院
(今後、対応病院が増えた場合は、当会サイトでお知らせします)
研究に参加できない人(除外基準)
- 心機能障害または呼吸不全を有し、本研究における筋力・運動機能評価の実施が困難であると、研究責任医師あるいは研究分担医師に判断された患者。
- 認知機能障害を有し、本研究内容について理解力が十分でないと研究責任医師あるいは研究分担医師に判断された患者。
- 介入を伴う、他の臨床研究または臨床試験に参加中の患者。
*筋強直性ジストロフィー患者に対するMYD-0124治験(エリスロマイシンの治験)に参加している方は参加できません。 - その他、本研究の参加に適さないと、研究責任医師あるいは研究分担医師に判断された患者。
研究計画名
筋強直性ジストロフィーの自然歴研究とバイオマーカー探索
研究責任者
中村 治雅先生
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター臨床研究支援部 部長
問い合わせはリンク先をご覧ください。
http://bit.ly/DM_nh