2023年2月28日、筋強直性ジストロフィー国際連盟からプレスリリース

アメリカ担当: Tanya Stevenson
メール: Tanya.Stevenson@myotonic.org 

イギリス担当: Emma-Jayne Ashley
メール: CureDM@outlook.com

オランダ担当: Jorg van Gent
メール: Jorg.vanGent@md.nl

日本担当: 妹尾(せのお) みどり
メール: Contact@dm-family.net

2023年世界希少・難治性疾患の日、57以上の関連団体による筋強直性ジストロフィー国際連盟が啓発に向けて団結

2023年2月28日-2023年の「世界希少・難治性疾患の日」に、筋強直性ジストロフィー国際連盟は、この病気の患者と家族、関係者が持つ驚くべき強さと再起しようとする力を祝うために、誇りを持って立ち上がりました。

筋強直性ジストロフィーの理解とケアの向上に取り組む57以上の組織からなる国際連盟は世界中の筋強直性ジストロフィーの患者、家族、医療従事者のみなさまにとって、希望の光であり続けています。

国際連盟は、筋強直性ジストロフィーの認知度を高め、この病気と共に生きる人々のための医療やケアと研究の支持するために、世界中の市民のみなさま、企業や団体に属している方、政策立案をする方に参加を呼びかけています。

筋強直性ジストロフィーは、筋力低下、呼吸器系、心臓機能、認知能力などに影響を与える希少で複雑な疾患です。その複雑さから、しばしば誤診され、十分なサポートが受けられないことがあります。

世代を超えて発症する遺伝性疾患であり、2,100人に1人の割合*で、発症や遺伝のリスクがあると言われています。
*米国でのデータ

筋強直性ジストロフィーは、成人の筋ジストロフィーの中で最も患者数の多い疾患です。

それにもかかわらず、人々に知られていない病気であり、現在のところ、筋強直性ジストロフィーの原因に向けた治療法や治療薬はありません。

国際連盟は、筋強直性ジストロフィーの認知度を高めるために力を合わせ、患者が直面する問題に光を当て、この病気に対する認識を高め、理解を深めることを目的としています。

「この知られていない病気の患者さんが何百万人もいることを考えると、私たちはこれからも筋強直性ジストロフィーの診断、治療、研究を向上させ続けることが急務と考えます」と、MDA(Muscular Dystrophy Association:米国筋ジストロフィー協会)の主席研究者、シャロン・ヘスターリー博士は語ります。「ともに活動することで、わたしたちは筋強直性ジストロフィーの患者さんの生活を向上させ、みなさまにとって、もっと協力的で包容力のある社会を作ることできます。」

国際連盟は、筋強直性ジストロフィーに苦しむ人々や家族に前向きな変化をもたらすという使命の一環として、2023年は次の2つの主要な分野に注力してまいります。

1. 臨床医療チームへの啓発と教育

2. 臨床試験参加への準備

第一の重点分野は、臨床医療チームの意識向上と教育です。

医療従事者の意識を高め、筋強直性ジストロフィーの症状、診断、有効な治療法などの理解を深めるために、専門家と協力する必要があります。

国際連盟は、こうした取り組みを通じて、筋強直性ジストロフィー患者が受ける医療の質を上げ、診断までの時間を短縮し、最終的には患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)を向上させることができると考えています。

「筋強直性ジストロフィーに関する臨床医の認識と教育の重要性は、いくら強調してもし過ぎることはありません。成人で最も多い筋ジストロフィーでありながら、病態の多様性から見過ごされがちです。現在、筋強直性ジストロフィーの診断は、簡単な遺伝子検査で確認できるようになりましたが、それでも診断を受けることが難しい場合があります。」と、カナダ筋ジストロフィー協会のホミラ・オスマン博士は話しています。

「先天性筋強直性ジストロフィーの子どもが誕生した後に、家族が同じ病気であることを診断されることがよくあります。これは、誤診が何十年も続くという可能性があることを示しています。

一般的な医師は、診療経験の中で筋強直性ジストロフィー患者を1人か2人しか診ないため、筋強直から心臓、呼吸器、消化器、ホルモン、早期発症の白内障、認知障害など、全身に現れる多様で複雑な症状についてよく知らない場合があります。」

第二に、参加者に向けた臨床試験への準備に焦点を当てます。

筋強直性ジストロフィーには既存の治療法がないため、臨床試験は新しい治療法や治療法の開発にとって非常に重要です。

しかし、臨床試験に向けた参加者を募集することは困難です。

国際連盟は、臨床試験に関する情報へのアクセスを改善し、臨床試験への参加を希望する人へのサポートを向上させるよう努めます。

臨床試験が、筋強直性ジストロフィー患者にとって参加しやすく、有用なものになるよう取り組んでいきます。

「私たちは、治療法を見つける最大の可能性を追求するために、臨床試験に参加する準備を整える必要があります。」と、オランダの患者団体、MD Nederland の設立者である Jorg van Gent氏は語ります。

「50以上の企業や機関が、筋強直性ジストロフィーの治療法に向けた研究や技術に新たに多額の投資を行っています。今後数年のうちに、この病気を患う人々の生活の質の向上、障害の軽減、寿命の延長が期待されます。また、こうした新しい研究や技術は他の筋ジストロフィーや、似たような遺伝子の変化を有するALS、脆弱X症候群、ハンチントン病などの患者にも、大きな期待をもたらすでしょう。」

国際連盟は、筋強直性ジストロフィーに関わるすべての人々に、下記の記念日への参加を呼びかけます。

7月29日(土):筋強直性ジストロフィー家族の日

9月15日(金):国際筋強直性ジストロフィー啓発の日

国際連盟は、記念日に関連した活動を通じて筋強直性ジストロフィーに関する認識を高める機会を提供します。

私たちは、筋強直性ジストロフィーの未来を変えていきます。

(日本国内の活動は計画中のため、筋強直性ジストロフィー患者会ウェブサイトにて随時ご案内いたします。)

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2021年に設立された「筋強直性ジストロフィー国際連盟」は現在、57以上の国際的な非営利団体、学術・研究機関、バイオテクノロジー企業、製薬企業、患者団体などが参加し、筋強直性ジストロフィーの啓発に向けて活動しています。

筋強直性ジストロフィーの資料や国際連盟への参加方法については、以下をご覧ください。https://www.myotonic.org/international-dm-day

アメリカ筋強直性ジストロフィー財団(MDF)のページはこちらをご覧ください。
https://www.myotonic.org/global-alliance-57-myotonic-dystrophy-focused-organisations-unite-raise-awareness-rare-disease-day

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