患者向けアンケート調査が論文になりました

2020年1月18日、「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)において、論文「本邦における筋強直性ジストロフィーの患者実態調査―患者対象全国調査―」が早期公開されました。

この論文は、2018年度に厚生労働省の難治性疾患等政策研究事業「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」班が実施した「筋強直性ジストロフィー患者のケアについてのアンケート調査研究」に基づいています。

アンケートは患者登録「Remudy」に登録済みの筋強直性ジストロフィー患者(2017年12月末時点)を中心に送付されました。患者から342通の有効回答が寄せられ、これまでにない大規模で網羅的な調査となりました。

調査の結果、患者の9割が疲れやすさを訴え、成人患者の1/3が離職していたことがわかりました。また、人工呼吸器を勧められても実施しない理由として「必要性を実感しない」という回答が最も多いなど、患者の実態や課題が明らかとなりました。

筋強直性ジストロフィー患者会では、このアンケート調査に全面協力を行い、会員がアンケートを持っている写真をウェブサイトに掲載するなど、患者にアンケート調査への回答を呼びかけました。論文には、患者会に向けた謝辞も掲載されています。

2018年3月22日お知らせ:みんなで答えよう!「筋強直性ジストロフィー患者のケアについてのアンケート」
https://dm-family.net/info/2018032101/

筋強直性ジストロフィー患者会は、よりよい医療に向けた研究に今後も協力してまいります。

なお、同時期に「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」班では、神経内科および小児神経専門医を対象にしたアンケート調査も実施しました。

その結果は論文「本邦における筋強直性ジストロフィーの診療実態調査―専門医対象全国調査―」として早期公開されています。

論文では専門医の6割が運動機能障害、呼吸不全、心臓伝導障害・不整脈、嚥下障害を重要としていますが、この病気に特有な低酸素血症・無呼吸、日中の眠気や疲れやすさ・うつなど全身合併症を重要としたのは35%未満だったことがわかりました。

いずれの論文とも、J-STAGEにてお読みいただけます。

本邦における筋強直性ジストロフィーの患者実態調査―患者対象全国調査―
https://doi.org/10.5692/clinicalneurol.cn-001349

本邦における筋強直性ジストロフィーの診療実態調査―専門医対象全国調査―
https://doi.org/10.5692/clinicalneurol.cn-001347

*「筋ジストロフィーの標準的医療普及のための調査研究」班サイト(MDクリニカルステーション)でも公開されています。
https://mdcst.jp/info/2020012801/