筋強直性ジストロフィー患者登録(Remudy)患者数1,000人を突破

2020年7月末日、神経・筋疾患患者登録(Remudy)の筋強直性ジストロフィー登録患者数は1,014名となりました。 国内推計患者数1万人のうち1割の患者が患者登録を行ったことになります。

出典:神経・筋疾患患者登録(Remudy)

患者と家族の意識が変わりつつある

籏野あかね理事長は、2015年の市民公開講座で聞いた「患者が病院に来なくなる」「患者登録数が少ないと、治療薬が遠のく」という話から、患者自身が患者登録の意義を伝えなくてはと、2016年に当会を立ち上げ、会員とともに活動をしてきました。

この度の患者登録数について籏野理事長は、下記のコメントを寄せました。

「筋強直性ジストロフィーの患者登録数が1,000人を超えました。
ご協力くださいました医師・医療関係のみなさまに、厚くお礼を申し上げます。
そして、この登録数は患者と家族みなさまの意識が変わりつつあるおかげであろうと思いました。
治りたい、希望はあるのだ、とみんなが、思い始めてきたからこその数字です。
これからも患者登録を知ってもらい、登録者数を増やすために、引き続き活動をしてまいります。」

患者登録の「継続」とは?

患者登録は一度登録したら終わり、ではありません。1年に一度、「更新」をしていきます。

患者登録の更新とは、「ひとりひとりが、どのような経過をたどるのか」を継続して記録することです。これを「自然歴」と言います。

患者登録は「継続」に意味がある

患者ひとりひとりが更新をしていくと、この病気の大きな自然歴データの集積となります。自然歴データの集積は、患者にとって次のようなメリットがあります。

  • それぞれの症状がどのくらいの経過で変化するのかがわかることで、病気の実態解明につながり、治療法開発にも重要な情報となる
  • 治療薬の有効性や安全性を判断する時にも、一定の目安となる
  • データを更新する患者が多いことは、関心が高いことの証拠になる

2020年にデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬ビルトラルセンが「条件付き早期承認制度」を受けて市販されました。ビルトラルセンの海外の治験では、自然歴データが有効性の評価に用いられています。日本でも市販後の安全性・有効性評価に患者登録(Remudy)が活用される見込みです。デュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者も、患者登録の更新に努力しています。

治りたいと思う気持ちは同じ。患者同士が協力して患者登録を進め、ご自身の登録更新を続けていきましょう。