元気になるためには、笑っていよう!:ZOOM談話室第1・2回レポート

2020年8月29日と9月12日の両日、DM-family初となる、会員同士の「ZOOM談話室:コロナを避けながら笑顔で暮らすためには」を開催しました。

新型コロナウイルス感染症で自粛の毎日、患者と家族が笑顔で暮らせるためには何をするといいのか?研究班で、心理系の研究をされている先生方と相談してZOOMを使ったミニレクチャーと交流会を行うこととなりました。

ZOOM談話室第1回
ZOOM談話室 第1回

「1回にしなくてもいい」奈良大学 井村先生からの驚きのアドバイス

DM-familyでは、最初の会を佐藤美奈子副理事長が担当し、奈良大学 社会学部 井村 修先生にZOOMでご相談しました。

「笑いの効用について話しましょう。それで、みなさんにも実際に笑うためのトレーニングをするといいと思いますよ」と先生からのアドバイス。笑うトレーニング?「人数は10人から15人くらいにするといいですよ。よかったら2回、開催しませんか?」と井村先生から驚きのアドバイスがあり、お言葉に甘えて同じ会を2回行うことになりました。

筋強直性ジストロフィー患者と家族の悩みから……

当日、談話室は井村先生からのお話しからスタートしました。

患者には、身体機能だけでなく、睡眠や疲労、やる気が出ないなどの悩みがあります。「みなさんはどんなストレスがあって、どのように解消していますか?まずみなさんから話してみてください」と井村先生。参加している患者と家族が話し出しました。

ストレスとその解消法は、泣くこと?

「外出できない」「ずっと家族と一緒なので、自分の時間が取れない」などさまざまなストレスが話され、それに対して「自分の趣味に熱中する」「オンラインゲームをしながら、ゲームを一緒にしている友達とLINEで話す」など、それぞれの生活を充実して過ごそうとする答えが返ってきました。

ある人が「思い切り泣きます」と発言したことから、「わたしも」「わたしも」という共感の声が上がりました。「泣く」という答えには井村先生も驚かれたようです。

また、患者の家族が「自分のストレスよりも、ケアをしている患者の具合が悪くて、患者の方がストレスを感じているはず。症状が悪くなる前に、“あれもしてあげればよかった”“これもしてあげたかった”と思うことがストレスです」と涙声で話すと、一緒に泣いてしまう参加者もおり、距離を超えてお互いが共感し合う場となりました。

笑うことで、免疫力がアップする

参加者からのトークが一巡し、井村先生から続きのお話しがありました。

「元気になるためには、と言っても、無理に元気になる必要はない。かといって、無駄に落ち込む必要もない。」

「つらいことを“反すう”しないことが大事です。牛が食べ物を食べるように、つらいことを何度も思い出さず、気持ちを切り替えて楽しいおしゃべりをしましょう。」

「そして笑うことは免疫力アップになります!」井村先生は日本笑い学会の研究成果を示されました。

元気になるためには?

そして「今日は佐藤さんから、笑いのトレーニングをしてもらいます」と、佐藤に引き継ぐと、女優の経歴を持つ佐藤から「笑いのトレーニング」がスタートしました。

佐藤美奈子副理事長による笑いのトレーニング

ZOOMの画面越しに、佐藤がインストラクターとなって、口周りの筋肉をほぐすマッサージを行いました。

「ほっぺたが伸びますか?表情筋をやわらかくしましょうね」

「手で口角を上げてみましょう!これが笑顔です!」

「明地副理事長!もっと口元柔らかくして!」と佐藤が声をかけると、「いや、僕は日頃から無表情で……」と言う明地副理事長に、ZOOMでは大爆笑。

マッサージをしているうちに、だんだんとみんなの表情がほぐれ……すると、「ではここで、みんなで声を出して笑いましょう!」

最初はぎこちなかったものの、だんだんと笑い声が大きくなり、大笑いで会は終了。

みんなが「ZOOMで初めて他の方の顔が見られてよかった」「会えてよかった」と話し、井村先生からも「とても良い会でした。佐藤さんの笑いの指導がすばらしい」とのお褒めの言葉がありました。

これからも、細く長く、みんなで手を差し出して、一歩先に進んでいきましょう。

ZOOM談話室第2回
ZOOM談話室 第2回

*西田元彦・大西憲和(2001)「笑いとNK細胞活性の変化について」 笑い学研究,8(7)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/warai/8/0/8_KJ00003259155/_pdf/-char/ja

*ZOOM談話室は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構「レジストリと連携した筋強直性ジストロフィーの自然歴およびバイオマーカー研究班」の協力を得て開催しています。