気がつけば、世界は変わる:ハイブリッドセミナー「これから変わる筋強直性ジストロフィー in 広島」レポート

2024年7月28日(日)、筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)は広島県RCC文化センターにてハイブリッドセミナー「これから変わる筋強直性ジストロフィー in 広島」を開催しました。当日は会場に43名、オンラインで140名、総参加者数180名以上が参加しました。

信頼され、勇気と熱意のある患者と家族になろう

ここがポイント!

・筋強直性ジストロフィー治療薬は治験段階に

・海外に知られていなかった日本の患者と家族の様子

・製薬企業から信頼され、「治る」ために勇気と熱意を持つことが必要

2024年7月28日、ハイブリッドセミナー「これから変わる筋強直性ジストロフィー in 広島」会場にて

セミナー冒頭、筋強直性ジストロフィー患者会(以下、DM-family)の妹尾みどり事務局長から、本セミナーの趣旨と現在の状況を説明しました。

筋強直性ジストロフィーの治療薬は複数社が開発を手がけており、他国では現在、治験が行われています。

2024年4月に行われた14回目の国際筋強直性ジストロフィー会議(IDMC-14)に参加する直前、DM-familyでは会の活動を世界中に知ってもらうため、英語版のウェブサイトを公開しました。

筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)事務局長 妹尾みどり
筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)事務局長 妹尾みどり

すると、海外の製薬企業からの問い合わせがあり、IDMC-14をきっかけにウェブサイト見た多くの外国人から「これまで、日本の患者会が何をしているかわからなかったけれど、やっとわかった!」と言われました。

日本の患者と家族は、世界という視点で見ると存在感がなかった、と気がつきました。

世界中の患者と同等に、患者と家族の様子が認識され、信頼されること。
それには、勇気と熱意が必要です。笑顔で暮らしている様子を発信している海外の患者と家族に負けず、笑顔で存在を示す勇気と、「この病気を治すんだ」という熱意を持とう、と患者の家族でもある妹尾事務局長は話しました。

全身に病気が起きやすい。歩けていても「症状に気がつかない症状」がある!

国立病院機構大阪刀根山医療センターの松村 剛先生から、「筋強直性ジストロフィーで注意するべき点」をお話しいただきました。

筋強直性ジストロフィーは筋肉だけの病気ではありません。「加齢で起きる問題が前倒しで出てくるイメージ」と松村先生。さらに「本人が自覚しない問題が存在していることが多い」と話しています。

まず押さえておこう!

・適切な医療管理ができていない患者が多い:
自分の体で起きている症状に気がつかない(自覚がない)という症状がある!

・どのような問題があるのかを知り、自覚する前に発見する

・早期発見、早期対処をする

国立病院機構大阪刀根山医療センター 松村 剛先生
国立病院機構大阪刀根山医療センター 松村 剛先生

命にかかわる問題!

・呼吸の問題:呼吸調節障害・呼吸不全

・嚥下の問題:誤嚥性肺炎・窒息

・心臓の問題:不整脈

無理のない運動
軽い運動はしてもOKです。しかし、心肺機能が低下していることがあります。検査で指摘された場合は病院でリハビリテーションの指導を受けてから行いましょう。なお、筋肉トレーニングは有害な場合があります。また、体のバランスが悪いことがあるので、転倒に備えて保護帽などをつけましょう。

呼吸は病院で定期的な検査が必要:
正常な肺活量があっても、横になったときに注意が必要です。低酸素血症や睡眠時無呼吸症候群が起きやすく、突然死の原因となります。
呼吸理学療法を病院で受け、肺を膨らませることができるようにしましょう。

気道に食べ物が入っても自覚しない:
患者は固いものが噛めず、丸呑みすることがありますが、気道に食べ物が入っても、無瀬が起こりにくいので自覚できないことがあります。食べやすいお料理を作りましょう。

誤嚥:
ほとんどの患者は誤嚥していることに気がつきませんまた、飲み込んだ物が食道に残っていることが多いので、食後すぐに横になると、食べ物が逆流して誤嚥しやすくなります。食べ物を適切な食形態にして、日ごろから歯科で口内衛生を維持しましょう。

心臓も検査を:
心伝導障害が起きやすく、房室ブロックや心室伝導障害の原因となっています。不整脈を治療する場合は、アブレーション、ペースメーカー、除細動器で行います。薬物治療は不整脈や心機能に悪影響を与えることがあり、注意が必要です。

中枢神経障害:
実行機能障害(計画や段取りができないなど)、視空間認知障害(位置や距離がわからないなど)、アパシー(無気力・無関心など)がよくあります。
社会参加をするなど、適切な支援を受けることが大事です。
さらに易疲労(疲れやすさ)・日中眠気(日中に寝落ちしてしまうなど)が起きた場合は、睡眠時の呼吸状態を確認するほか、軽い運動で対処をしましょう。

その他にも、糖尿病、便秘、巨大結腸症、偽性腸閉塞、白内障、兎眼・眼瞼下垂、難聴などさまざまな合併症が起きる場合があります。

ここがポイント!

・合併症は多いが、早期発見と早期対処をすれば治療可能なものが多い!

・異常に気がつかなくても、定期的に検診を受けて早期対処を!

・治療薬が進んでいる今、よい状態をできるだけ保つように!

松村先生から、「多くの症状は早期発見と早期対処をすれば治療可能なものが多いです。患者さんは気がつかなくても、定期的に検査をして早期対処をしてください」そして「治療薬の開発が進んでいる今、できるだけいい状態を保つことが大事です。治療薬は、起きている問題をすべて解決するものではありません。」

「症状に気がつかないという症状」がある患者にとって、早期発見をしてくれる専門医がいる病院にいくことは大きなメリットがあります。

患者と家族も学んでおこう

診療ガイドラインに準拠し、多くの専門医からの答えが満載の書籍

「知っておきたい筋強直性ジストロフィー」

診断と治療社

知っておきたい筋強直性ジストロフィー

患者と家族だけで抱え込まない。支援を受けて良い生活を

国立病院機構広島西医療センターの橘髙幸子先生から、「患者さんをサポートする当院の難病一時支援」として、広島での例に基づきながら社会サービスについてお話しいただきました。

まず、介護保険制度についてお話しがありました。

介護保険制度とは、介護サービスを受けたときの費用負担を軽減できる制度です。介護サービスを受ける患者の負担は1割~2割となります。

65歳以上の高齢者だけでなく、40歳以上65歳未満の方でも介護保険が適用される場合があります。筋強直性ジストロフィーを含む、筋ジストロフィー患者は介護保険制度を適用できます。しかし、適用になるには申請と病院の医師からの意見書が必要です。

病院にいるソーシャルワーカーや相談員に相談しましょう。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/2gou_leaflet.pdf

こうした例から、多くの社会サービスは患者と家族だけで申請することが難しく、医師の意見書が必要となる場合は専門医に、相談は社会福祉士などのソーシャルワーカー、医療機関の専用窓口、全国の自治体(保健所や保健センターなど)にしましょう。

ここがポイント!

・患者がよりよい生活を送るには、社会サービスを受ける必要がある

・多くの社会サービスは申請が必要。患者と家族だけで抱え込まない

・まずは病院のソーシャルワーカーか、相談支援員に相談

国立病院機構広島西医療センター 橘髙幸子先生

医療費の助成:
下記の図をご覧ください。

医療費助成制度-筋ジストロフィー患者さん-

患者と家族で住民票や課税状況確認書類、健康保険証の用意はできますが、医師の診断書は主治医にお願いし、申請書は病院や地域のソーシャルワーカーなどに手伝ってもらいましょう。

障害福祉サービス:
補装具や自立支援、移動支援、日常生活用具の給付など、患者に必要なものが多く、患者の負担費用は原則1割です。 障害支援区分の必要なものもありますので、市区町村の窓口に障害支援区分認定の申請を行う場合は医師の意見書が必要です。

障害福祉サービスの利用と自立支援について

レスパイト入院:
レスパイトとは「休息」という意味で、患者を介護している家族が休息を取りたいときや病気、けがなどで介護ができないときに患者が一時、入院ができるような支援です。

大災害が起きたときに、行き場がなくても病院にベッドが空いていれば使える場合もあります。

地域で暮らしていくための上手な活用を

レスパイト入院は、どの病院でもできるわけではありません。

国立病院機構の療養介護病棟(DM-familyウェブサイトの病院リスト参照)や、筋・神経難病センター、地域包括ケア病棟のある病院だけが対応可能です。

登録証(指定難病要支援者証明事業):
指定難病患者であることを証明するもので、各種社会サービスを使える場合があります。
新設されたばかりですので、必要な情報は相談してください。

ここがポイント!

・「医師の意見書」は定期受診を行っている病院の主治医(専門医)がお勧め

・障害福祉サービスは、検査入院にも適用できる場合がある

【わかりやすい参考サイト】(登録証の申請手順付き)

難病患者さまとご家族向け支援ガイドブック
https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2024/04/20240401_shien1f.pdf

病院に行くメリットとは

続いて、DM-familyから明地雄司副理事長と、会員の大吉(おおよし)法子さんが「病院にいくメリットとは」を話しました。

「今まだ治療薬がないのに、なぜ遠くの病院に行くの?面倒だし、大変だし」という声があります。しかし、それは大損をしていることになるかもしれません。

専門医と地域医療との連携を患者の手で

大吉さんは妹が筋強直性ジストロフィー患者で、地方に住み、病院では年に数回、肺活量と血液検査をしていました。

本当に妹のためになることはないだろうか?大吉さんはDM-familyに入会し、さまざまな活動に出て、ネットワークを広げていきました。

ある研究参加で、「国立精神・神経医療研究センター病院」を知った大吉さん。国内でも屈指の筋ジストロフィー専門病院です。「ここで妹の診察をしてほしい。でも今の主治医はどう思うだろう」と悩んだ大吉さんに、ある会員から「定期受診は専門病院だけれど、日ごろは地元の病院に行っている」という話をきき、勇気をもって地元の病院からの紹介状を持って、東京都小平市にある国立精神・神経医療研究センター病院に妹を連れていきました。その距離、片道3時間。東京大横断です。

国立精神・神経医療研究センター病院を受診した結果、さまざまな症状が見つかりました。夜間だけの人工呼吸器が必要となり、姉妹は病室に泊まり込みで練習。

今ではどれだけ寝ても眠かった妹が朝、起きられる日が増えました。

悪くなるのを遅らせることができる

国立精神・神経医療研究センター病院からは、地元の病院に検査結果などが提供され、さらにきめ細やかな医療を受けられるようにもなりました。

「妹と『治せない』と言われている筋強直性ジストロフィーとうまく付き合いながら幸せに暮らして、そして患者会の活動に参加して世の中をちょっとでも変えられたらいいね」と妹さんと話している大吉さん。物静かながら、強い意志を感じさせる話でした。

信頼できる病院に、患者としてデータを残していく

DM-familyの明地雄司副理事長は、筋強直性ジストロフィー1型患者で、脳神経内科の専門医。この4月から愛媛大学附属病院に勤務し診療を続けています。

医師として、患者として。明地さんは次のように話します。

「大吉さんのお話しにあった検査は、たとえば、愛媛大学附属病院でも実施できますし、遠方の病院の受診の難しさなどもありますので、地元の大学病院で診てもらっていることが悪いわけではありません。

しかし、わたし自身は、年1回、国立病院機構大阪刀根山医療センターに行って定期検査を受けています。

医師になってから、今年で9年経ちます。この9年、わたしは大阪刀根山医療センターで年1回の検査入院をしており、大阪刀根山医療センターには、そのデータの蓄積がされています。

これまでどんな変化があったのか、データで確実に捉えることは、とても大事なことです。患者として、刻々と進行する病気を持ちながら、遠方の病院に通院するのは、確かに負担ではあります。しかしそれを続けていくこと自体、わたしにとっては『この病気を治したい』という意思表示なのです。」

症状が進んでいくのは、誰にとってもつらく悲しいものです。それを乗り越えて「この病気を治したい」という、わたしたちの副理事長の勇気ある言葉をもらいました。

DM-family 明地雄司副理事長
筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)副理事長 明地雄司

日本の患者はどうなの?という疑問に応じる、患者登録と自然歴研究

大阪大学大学院医学系研究科の高橋正紀先生から、「患者登録と自然歴研究とは」をお話しいただきました。

全世界で治療薬開発が進んでいる中、2024年7月現在、日本国内での治療薬の治験は行われていません。

これには、ドラッグ・ロスという問題があります。近年の治療薬はベンチャー企業が開発しており、一般的に小規模企業で、日本法人を持っていません。臨床試験環境や薬事制度の違いもあるとされています。

それでも実際に、企業として日本で治験を考えるときには疑問があります。

  • 日本に何人の患者がいるのか?
  • 治験が可能な患者数は?
  • どんな病院に行っていて、どのように募集をするのか?
  • 欧米の患者と同じ症状を持っていて、同じように治験をできるのか?

多くの疑問に応じるには、患者登録と自然歴研究が必要です。

患者登録「Remudy」:
日本で運用されている患者登録(Remudy)は、「Treat-NMD」という国際的なネットワークで決められた方法(ナールデン・データセット)に準拠しており、遺伝子診断がされている確実な患者数を示しています。

2024年8月現在では1,263人もの患者が登録されました。

患者一人ひとりの努力が、実際の日本の患者数を示すことにつながっています

自然歴研究(END-DM1):
筋強直性ジストロフィーは症状に多様性があるため、どんな症状が治れば効果があるのがはっきりしません。日本でこれまでもバイオマーカー研究をしてきましたが、国際自然歴研究「EMD-DM1」に参加し、世界で一体となって研究を進めています。 このデータが、各企業の治験に使われ始めています

大阪大学大学院医学系研究科 高橋正紀先生
大阪大学大学院医学系研究科 高橋正紀先生

ここがポイント!

・患者登録は「どこに、何人、どんな症状の患者がいるのか」を確実に示すデータベースに登録すること

・自然歴研究は「この病気の経過はどうなるのか(自然経過)」を観察し、指標となる症状を探して治療薬が確実に有効かどうかを評価すること

・患者団体の応援も必要

遺伝子がわかれば、治療薬につながる

山口大学大学院の中森雅之先生から「わかる遺伝子とエリスロマイシン」というお話しをいただきました。

ここがポイント!

・遺伝子は、体の設計図

・設計図のコピーから、各器官を作るタンパク質ができる

・病気の原因となる遺伝子のため、正常な機能を果たすタンパク質ができない

・各器官で正常にタンパク質ができないから、内臓にいろいろな病気が起きる

筋強直性ジストロフィーの原因を正確に理解するためには、まずは遺伝子の基本を知っておきましょう。

病気の原因がわかれば、その治療法も見えてきます。そのため、現在は多くの企業や研究者が筋強直性ジストロフィーの原因を治療する薬を開発しています。

遺伝子の仕組み
遺伝子は、遺伝情報のある部分(エクソン)が、不必要な部分(イントロン)でつながっています。

タンパク質を作るときには、エクソンだけをコピーを取ります(転写)。

そしてコピーからタンパク質が作られます(翻訳)。

遺伝子とは

筋強直性ジストロフィーの人は、「DMPK遺伝子」の最後の部分が長くなっています。
50以上長くなっていると、筋強直性ジストロフィーです。

そして、タンパク質を作るためにコピーをとると、長い部分も一緒にコピーされます。

長いので、逆Uの字(ヘアピン構造)にたわんでいます。

筋強直性ジストロフィーでの遺伝子変化

人体には生体機能を維持するために必要なタンパク質(MBNL)があります。

このタンパク質がヘアピンの部分に吸着されてしまいます。

患者の体中の細胞でMBNLが十分に働かず、いろいろな臓器で生体機能の維持に影響が生じて、さまざまな症状が起きるとされています。

MBNLがヘアピンの部分に吸着

ではどうすれば、生体の機能維持に重要なタンパク質を吸着させないようにできるのか?

1.核酸医薬:ヘアピン部分をなくしてしまう

2.低分子化合物:ヘアピン部分をカバーする

筋強直性ジストロフィーの治療戦略

核酸医薬の現状:
ヘアピン部分を直す薬を細胞にうまく入れるために、「トランスフェリン受容体」を使った開発が進んでいます。

改良型核酸医薬の開発

低分子化合物:
ヘアピン部分をカバーができる薬はいくつかわかっています。しかしどれも、何年も時間がかかる治験を行う必要があります。「とにかく患者さんを待たせたくない」という中森先生は既存薬の中から、カバーができる薬を発見しました。

それが「エリスロマイシン」です。

ここがポイント!

・エリスロマイシンは、すでにほかの病気で使われているので安全性が高い

・治験のステップ(第1相)を飛ばして少数の患者での治験(第2相)ができた

次は第3相治験が必要

薬事承認を受けるまでは、筋強直性ジストロフィーの治療として
エリスロマイシンを使ってはいけない

山口大学大学院 中森雅之先生
山口大学大学院 中森雅之先生

エリスロマイシンの第2相治験
コロナ禍のまっただ中で行われ、30名の患者が参加し、一人も欠けることなくやりきりました。

この30名の患者は、患者登録「Remudy」のデータで、試験に必要な条件を満たしていることが確認されています。

言い換えると、「Remudyで登録をしていないと、この治験には参加できなかった」ということになります。

*Remudyへの登録とDM-familyへの入会はまったく別のものです。DM-familyは患者の医療情報を持ちませんので、治験の際に個別の患者を紹介することはありません。

治験には「選択基準」があり、この基準を満たしていないと参加できません。

*選択基準は治験をより安全に進めるためのもので、実際に市販後の適用条件を示しているわけではありません。

エリスロマイシンによる医師主導治験

30人の参加者のうち、15人は試験の前後に針筋生検のため入院をしました。

そして24週間、欠けることなく服薬をしています。

エリスロマイシン治験第2相の流れ

有効性の評価では、スプライシングの改善が見られました。

スプライシングとは、転写されたmRNAから不要な領域を除去し、タンパク質を作る領域をつなぎ合わせる反応です。

エリスロマイシン治験第2相の有効性評価

6分間歩行では、プラセボ(偽薬)群にもよい効果がみられました。

参加者は治験実施中に自分がエリスロマイシンを服用しているのか、それともプラセボなのかを知る手段はありません。投薬をする医師も知りません。そのため、実際の薬を飲んでいるんだという「プラセボ効果」が現れたと考えられます。

こういった統計的な誤差が出ないようにするためには、より多くの患者が参加する第3相治験が必要です。

エリスロマイシン治験第2相の有効性評価(6分間歩行)

次は第3相、患者会からも応援が必要

今後、エリスロマイシン治療の確立へ

中森先生は、エリスロマイシンを正式に「筋強直性ジストロフィー治療薬」として適応拡大を目指しており、それには大規模な第3相治験で安全であること・有効であることを示す必要があります。

しかしそのためには、大きな資金が必要です。

患者と家族は「いかにわたしたちが治療を望んでいるか」を世の中に発信して、多くの味方をつけていきましょう。

何よりも、患者は医師にエリスロマイシンの処方を頼まないでください。
服用して具合が悪くなるなど、万一のことが起きたときには、適用外使用であるため誰からも助けてもらえません。

なによりも、エリスロマイシンの治験はできなくなり、筋強直性ジストロフィーに使えるようにする道は閉ざされます。

中森先生は「エリスロマイシンと核酸医薬の併用も考えられる」と話しており、別途の研究を進められていることをお話しいただきました。

本当に治療ができる時代にするには、さまざまな局面で患者の協力が必要です。

一人はみんなのために、みんなはひとつの目標のために。今まさに動き始めるときが来ています。