シンポジウム「AI医療への患者・市民と医療従事者の参画を考える」に、DM-family会員が患者・市民参画パネル(PPIP)メンバーとして登壇

2023年3月22日(水)大阪府吹田市で行われましたAIDEプロジェクトのシンポジウム、「AI医療への患者・市民と医療従事者の参画を考える」に、患者・市民参画パネル(PPIP:Patient and Public Involvement Panel)メンバーとして筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)事務局員である、小川晃佑が登壇いたしました。

大阪大学とオックスフォード大学のAI医療研究者が一堂に会する

シンポジウム登壇者一同

AIDEプロジェクトのPPIPとしては、これまでオンライン上でしか他のメンバーと顔を合わせておりませんでしたが、当日は、初めて研究者の皆さんと一部PPIPメンバーが直接、会ってお話しする機会となりました。

そしてシンポジウムで講演するPPIPメンバーに私、筋強直性ジストロフィー患者会の小川晃佑と難病サポートfamiliaやまぐち(なんふぁみ)の代表、岩屋紀子さんが選ばれ登壇することとなりました。

大阪大学とオックスフォード大学の研究者さんから「PPIPメンバーに期待している」

シンポジウムが始まる前、大阪大学とオックスフォード大学の研究者さんとお話しさせていただいた際、大阪大学にてAIDEプロジェクトの代表をされておられる山本ベバリー・アン教授と、オックスフォード大学ジェーン・ケイ教授から「プロジェクトに参加されている研究者の方が直接、患者・市民参画パネルから感想を聞くのは初めて。大阪大学とオックスフォード大学、両国の研究者が期待している」という旨のお話しをいただきました。

両大学とも、研究者同士の講演はかなり密にはされているご様子はありましたが、コロナ禍の影響もあり、なかなか一般の方からお話を聞く機会がなかったこと、プロジェクトのPPIPメンバーから感想を聞く機会がなかったため、このシンポジウムで話を聞けることをとても楽しみにされていた様子でした。

また、その際、このシンポジウムには日本やイギリスを中心に世界中から200人の方が見られているとも聞き、かなり緊張しました。

シンポジウム開始、もうすでにいろんなAI医療が研究・導入されている

プレゼンテーションを行う山本教授

シンポジウムは前半・後半に分かれており、前半は大阪大学・オックスフォード大学の研究されている方の発表でした。オックスフォード大学の研究発表の中では大手企業も参加し、研究が進められていること、データの使い方についての重要性などの研究結果が発表されました。

また、大阪大学からはAI基盤拠点病院として過去5年間の取り組みの実績と評価についての発表がありました。大阪大学では職員の方が使用されている機器や、コロナ患者さん対応に使われた何も触れずに入退室ができるシステム、患者さんの移動に使われる無人で動く電動車いすについての説明がありました。

また、大阪大学のAIDEプロジェクト代表の山本ベバリー・アン先生からも、AI医療のステークホルダーに関する文献調査の結果報告があり、どのような方がAI医療に関して文献を調べられているかの調査結果を説明されていました。

ニシャ・シャー先生

また、オックスフォード大学のニシャ・シャー研究員の発表はツイッターを使ってのAI医療情報を英語・日本語を使って調査された結果を発表されました。ツイッターは非常に身近で使われているツールで、日本語だけでもかなりの量の情報があり、その情報をポジティブなものやネガティブなものに仕分けするだけでも大変な作業のご様子でした。

シンポジウム後半、PPIPメンバーとして1番目の発表を担当

DM-family 小川さん

シンポジウム後半はPPIPメンバーの紹介があったのち、PPIPメンバーからの発表があり、私は最初に発表させていただきました。

AIDEプロジェクトのメンバーとして、また筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)の事務局員、そして普段は電気技師として日ごろ生活をしている立場からAIDEプロジェクトに参加し、事前に用意しておいた資料をもとに発表させていただきました。

「ご安全に」メッセージを送る小川さん

発表は10分ほどでしたが、それまでAIDEプロジェクトに参加して感じたこと、学べたことを整理し発表することができましたし、これからもAI医療にかかわっていくにあたっての意見を伝えることができました。

ほかのPPIPメンバーからの発表も

難病サポートfamiliaやまぐち(なんふぁみ)代表、岩屋紀子さん

続きまして、PPIPメンバー仲間の難病サポートfamiliaやまぐち(なんふぁみ)代表、岩屋紀子さんの発表では、AI医療について期待すること、特にコミュニケーションに関すること、「本音が思いやりに変わるAI医療があったらいいな」とおっしゃっておられ、私自身その言葉にとても共感しました。また、患者さん好みの仮想ドクター(アバタードクター)があればというお話しがとても面白かったです。

PPIPメンバー最後の発表は、オックスフォード大学側のPPIPメンバーさんの発表があり、オックスフォード大学側での活動の説明がありました。

最後のパネルディスカッションにも参加

シンポジウムにて

最後に行われましたシンポジウムにも参加させていただき、今回の感想をお伝えすることができました。

「オックスフォード大学のニシャ・シャー研究員さんからのツイッター研究の発表で、スパムを除去するのに苦労されている印象がありましたが、これはAI医療だけではなく、日ごろツイッターを使っているワタクシも苦労しています。そういう身近なところからAI医療の研究をされているという印象を受けました」。

シンポジウムが終わって

最後に

筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)に参加させていただいたことをきっかけに、おそらく普通に生活していたら絶対に会話することはないみなさんと今回、交流させていただくことができました。

今回、私を含めたPPIPメンバーの発表を研究者の方々がかなり興味を持って聞いていただいていたこと、発表した内容をとてもほめていただいたことが印象に残っております。

また、私の発表では「日ごろからAI医療に対してアンテナをたてておく」とも言いましたのでそれらを続けていくつもりでいます。また、AI医療だけでなく、筋強直性ジストロフィー患者会のこと、仕事のこと、日々の生活のことについてもアンテナを張り、情報を集めていきたいと考えています。

(筋強直性ジストロフィー患者会 DM-family 小川晃佑)