第6回筋ジストロフィー医療研究会に参加しました

2019年10月11日(金)・12日(土)、青森県青森市の「アピオ青森」にて、第6回筋ジストロフィー医療研究会「変わらないために変わろう」が、国立病院機構 青森病院 院長 高田博仁先生を大会長として開催され、筋強直性ジストロフィー患者会から事務局長妹尾みどりと会員のフィッシャー直子が参加しました。

筋ジストロフィー医療研究会にて、国立病院機構 東埼玉病院 尾方克久先生と
筋強直性ジストロフィー患者会 フィッシャー直子

大会1日目、東京女子医科大学病院 小児科で行った「先天性/小児期発症筋強直性ジストロフィーの患児の養育に対するアンケート調査」について結果が発表されました。

この調査は筋強直性ジストロフィー患者会で先天性・小児期発症の患児を持つ親や祖父母などが協力しています。

産後、重篤な症状を持つ子どもと、親自身が筋強直性ジストロフィー患者であることを告げられ、多くの親がショックを受けています。

アンケートでは、告知で最初に調べたのはネットという親が多数で、「告知時点でもっと情報がほしかった」「希望の持てる情報がほしい」という声があったと報告されました。

また、国立病院機構 東埼玉病院の尾方克久先生から「『筋ジストロフィーの病型診断を進めるための手引き』の作成」について報告がありました。

「有用性を検討し、随時バージョンアップをしていく」との話に、フィッシャーは会場から「病型診断をアップデートしてくださるのは患者としてうれしいことです」とコメントしました。

大会2日目には、「シンポジウム4 筋強直性ジストロフィー診療ガイドライン」があり、患者代表としてガイドライン作成に参加している理事長 籏野あかねの代理として事務局長 妹尾みどりが登壇、「ガイドライン作成に携わって」を発表しました。

筋強直性ジストロフィー1型の患者で、東京に在住している籏野。電動車いすを使い、東京からは簡単に青森に行くことは難しく、実姉である妹尾にビデオメッセージを託しました。

その中で籏野は、患者の意見を求められ、それに応じることにより、医療関係者との会議での不安を乗り越え積極的に発言できるようになったこと、会議中に自分の意見に関する回答に驚いた点があったことを伝え、最後に関係者へのお礼を述べました。

籏野は構音障害※を持っており、今も言語聴覚士によるリハビリに励む日々を送っています。

このビデオ撮影は、リズムを取るための器具を手にしながらアドリブで話しています。ガイドラインの作成に同席された先生から「ずいぶん発音が良くなった」と評価をいただきました。

また籏野のビデオを再生した妹尾は「筋強直性ジストロフィー診療ガイドラインは、わたしたち患者と家族ではエビデンス・ベースド(根拠に基づく医療)に必要とされる膨大な論文を読破することはできません。今後も先生方のご協力をお願いするとともに、患者と家族が研究に役立つよう、患者会としても協力していきます」と会場に呼びかけました。

最後に、第6回筋ジストロフィー医療研究会のシンポジウム、および患者会からの参加にご配意いただいた高田博仁先生に、この場を借りてお礼を申し上げます。

※構音障害:音を作る器官やその動きに問題があり、発音がうまくできない状態