筋強直性ジストロフィー患者会から、自治医科大学 永井学長を表敬訪問しました

2019年6月20日(木)、筋強直性ジストロフィー患者会(DM-family)の妹尾みどりと高橋真明一家が自治医科大学学長 永井 良三先生を表敬訪問させていただきました。

この機会は、自治医科大学医学部 神経内科学部門教授 松浦 徹先生のご厚意で実現しました。

永井先生はご多忙にもかかわらず、医学部6年生に向けた講義のために来学したわたしたちに謝意を述べられるとともに、さまざまなお話しをしてくださいました。

最近は核酸医薬など、さまざまな手法が開発されており、「治療法のブレイクスルーが起きると思う」とのこと。脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療法のめざましい効果には永井先生も大変驚かれたそうです。

事務局長の妹尾みどりは、この日の数日前までスウェーデンで開催されていた筋強直性ジストロフィー国際学会IDMC-12に参加していました。永井先生から患者会活動についてご質問があり、IDMC-12の模様をお話ししました。


永井先生に筋強直性ジストロフィー患者会の英語版パンフレットをお読みいただきました

IDMC-12では、欧州で行われた「患者に認知行動療法と軽いエクササイズを受けさせることで疲労感の軽減をさせる」という研究に関して成果報告が出されました。

「なぜ認知行動療法が体に効果があるのでしょうか?」と妹尾が疑問に思っていたことを話すと、永井先生は「それは、行動が変わって体を動かせるようになるからです」と明快にお答えくださいました。

同席していた松浦先生からも、「体を動かしていると、廃用性筋萎縮*を防ぐことができる」とのこと。思いがけないお答えに驚いていると、永井先生は次のようにお話しされました。

「(病気だからといって)大事を取っていればいいというわけではなく、ある程度、体を使わないといけないです。心臓の悪い人も、昔は大事を取って、極端な場合は寝たきりにさせるといった時代もありました。しかし今は、むしろ心臓の悪い人であっても、それなりのメニューを組んで体を動かしています」
「(体を)動かさないでいると、動いたときに、必要以上にドキドキするわけです。それが心臓に良くない。体を上手に使って全体のバランスを整えていく。ネガティブな気持ちになると、動作もすべて少なくなってしまいます」

認知行動療法でネガティブな気持ちを少なくすれば、動作が少なくならず、体を使ってバランスが整う……。すごいお話しと思って聞いていると、永井先生は続けて「ただ、体を使いすぎると痛める病気の場合は、体を動かす適切なメニューがあるはずですから、主治医とご相談してください」とおっしゃっていました。

永井先生は上皇さまの心臓バイパス手術の際に主治医を務められており、現在は皇室医務主管として皇室医療を統括しておられます。心臓の専門家である永井先生から、体を動かす大切さのお話しを伺う機会となり、とてもありがたく思いながら会見を終わりました。

お忙しい中でお時間をいただいた永井先生と、貴重な機会をくださった松浦先生にこの場を借りてお礼を申し上げます。


永井 良三先生(後列左から2人目)、松浦 徹先生(後列右)と記念撮影

*廃用性筋萎縮(いしゅく):長期間にわたって安静状態を継続することにより、身体能力の大幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状

「自治医科大学医学部で会員2名が講義を行いました」に続く